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GXロケットの開発中止決定

2009.12.17

 政府は16日、GXロケットの開発を取りやめることを正式に決定した。液化天然ガス(LNG)推進系の開発については引き続き行うことになった。内閣官房長官、宇宙開発担当相、文部科学相、経済産業相の連名で方針を決定した。

 GXロケットについては、今年夏までに実施したLNG推進系の試験の結果、技術的な見通しが概ね得られたものの、需要、全体計画・所要経費の各見通しが得られていなかったため、来年度概算要求では、LNG推進系にかかわる経費のみが計上され、需要見通しがたった段階で全体計画をどうするのかを決定することにしていた。

 今回示された方針では、GXロケットは国内には十分な需要があるとは言い難く、また米企業などが主張する商業的な需要や米政府需要の確保についても、価格面も含めた競争力の点から、十分な確実性を持って受注できる見通しがあると判断することは困難だ、としている。また、今後の開発には約940億円が必要で、厳しい予算制約の下で着手した場合には、政府の衛星開発に影響を及ぼし、これらの遅延に伴うGXロケットの打ち上げ需要(宇宙基本計画では年1機程度)も減少、さらにロケット開発の長期化が懸念されることも開発中止の理由に挙げている。

 LNG推進系については、水素を燃料とするエンジンと比べて、沸点が高く宇宙空間での貯蔵性に優れるほか、漏えいや爆発の危険性が低い長所を持つ。将来、国内外のロケットの推進系や軌道間輸送機などの推進系として使える可能性があり、また国際的にも優位性をもっているため、来年度予算に必要な研究開発予算を計上することを決めた。

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