腕に障害のある人が意のままに操作できる小型軽量ロボットアームを産業技術総合研究所の研究チームが開発した。
サービスロボティクス研究グループの松本吉央・研究グループ長、尹祐根・研究員らが開発したロボットアームは、ユーザーの視野を広げ、服や物などがジョイント部分に挟み込まれる危険を減らすため、直線方向に伸び縮みする機構となっており、回転関節個所がない。
6キログラムと軽く、0.5キログラムのものをつかんで、運搬できる能力を持つ。手、腕に相当する部分併せて7つの自由度(関節の数)があり、各種センサーを二重化するなど安全性向上も図られている。ワンタッチで取り付け、取り外しが可能で、ベッドサイドから電動車いすへ付けかえるといったことが簡単にできる。
研究チームは生活支援ロボットとしての実用化を目指し、筋ジストロフィー患者や頸椎(せきつい)損傷を負った人たちに実際に使ってもらう評価実験を進めている。