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糖尿病治療薬開発に新たな標的発見

2009.07.31

 
糖尿病治療に広く使われているスルフォニル尿素(SU)薬がすい臓の細胞に取り付きインスリンを分泌する新たな経路を、神戸大学の研究者たちが発見した。

 この経路を標的とすることで新しい糖尿病治療薬開発の可能性が期待できる成果として注目される。

 これまでSU薬が効く仕組みについては、すい臓β細胞上に受容体があり、これにSU薬が結合することで細胞の外からカルシウムイオンが流入し、インスリン分泌を刺激するためであることが分かっている。

 清野進・神戸大学医科学研究所教授らは、すい臓β細胞内の重要なシグナル伝達分子を感知する「Epac2」というタンパクに目を付け、これと結合する分子を探したところ、SU薬がこれまで知られていた受容体だけでなく「Epac2」にも結合することが分かった。また「Epac2」を欠くマウスを調べたところ、SU薬によるインスリン分泌作用や血糖降下作用が明らかに落ちていることも確かめられた。

 糖尿病の大部分を占める2型糖尿病は、すい臓β細胞からのインスリン分泌障害や筋肉、脂肪、肝臓などのインスリン作用障害が原因で起きる。SU薬はインスリンの分泌を刺激する糖尿病治療薬として最もよく使われている。SU薬が、これまで知られていなかった受容体にも結合することが突き止められたことで、この受容体が新たな治療薬開発の標的になると研究者たちは期待している。

 この成果は科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)で得られた。

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