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脳波で動く電動車いす開発

2009.06.30

身体が不自由で電動車いすの操作ができなくても、自分の意志だけで自由に車いすを動かすことができるようになるかも…。

理化学研究所、トヨタ自動車、豊田中央研究所、コンポン研究所が設立した理研BSI-トヨタ連携センター(BTCC)は29日、脳波を使って、電動車いすを制御するシステムを開発、公開した。脳波を計測する電極を5つに減らすとともに、解析アルゴリズムを工夫することでリアルタイム制御を可能にした。脳波を解析し、前進、右・左の信号を抽出するのに要する時間はわずか125ミリ秒という。

人間が右手を動かそうと想像すると、脳の運動野のうち、右手と関連する脳の左側部分で計測される脳波の振動幅が小さくなる。これは事象関連脱同期という現象で、これを脳波から検出できると、どういう行動をしたいかを確実に掌握することができる。今回の研究では、これを電動車いすの制御に応用した。

通常、脳波計測は100個近くの電極で行われるが、今回のシステムでは計測範囲を運動野に限定し、右手関連部分2個、左手関連部分2個、足関連部分1個、合計5つの電極で必要な脳波を計測できるようにした。また信号処理については、空間-周波数フィルター法と線形分離器の技術に、理研BSIで培った脳波情報処理技術であるブラインド信号分離法を融合した新システムを開発し、脳波の解析結果をリアルタイムでディスプレー上に表示し、自分の意志と比較できるシステムを構築した。

これを電動車いすの制御に応用し、「右手を挙げる」と想起すると「右に進む」、「左手を挙げる」で「左に進む」、「歩く」で「前進する」ことを実現した。緊急停止はほおの筋肉部分で行う。1日3時間、1週間程度の訓練をこなすことで、95%の高精度制御が可能になるという。

脳波で動く電動車いす(29日文部科学省で)

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