360度どの方向から見ても立体映像が見えるキューブ(立方体)型の小型ディスプレイを、情報通信研究機構が開発した。
10センチ四方の箱の中に立体映像を再現し、特殊なめがねなどを使用しなくても複数の人間が周囲から映像を見ることができる。未来のコミュニケーションの新たな手段などになる、と期待されている。
小型ディスプレイの各側面は、ハエの眼状に並べた凸レンズと液晶ディスプレイ(LCD)の組み合わせから成っており、どこから見ても箱の中に立体物があるように映像が映し出される。同機構は、昨年6月、前段階として、キューブの一部に見立てた3面に立体映像を表示する技術を発表している。今回、実際に6面すべての方向から立体映像が見えるようにするとともに、レンズの設計や配列を工夫することで明るさを3倍、解像度を1.4倍高めた。小型化にも成功し、実際に手に持てる(重さ950グラム)ようにした。
ディスプレイ部の各表面にはタッチパネル、内部にセンサやスピーカを取り付けることによって、簡単な立体映像とのインタラクションもできるという。