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太陽表面覆う新たな磁場観測

2009.04.09

 体表表面にこれまで知られていなかった短寿命の水平磁場が大量に存在することを国立天文台を含む日米欧の国際研究チームが、太陽観測衛星「ひので」による観測で発見した。

 太陽には黒点と呼ばれる暗い部分があることが知られている。これは太陽の磁場によってできると考えられており、その磁場は太陽の自転速度が場所によって異なる差動回転のために生まれるとみられている。

 新たに発見された磁場は、黒点の 30分の1から100分の1の大きさで、黒点の寿命が6日から2カ月程度に対して平均4分と短寿命、さらに黒点をつくる磁場の方向が太陽内部から外部に伸びる垂直なのに対し、太陽表面に対し水平の方向を向いているという特徴がある。また黒点が、太陽中緯度から赤道付近にしか存在しないのに対し、太陽の全面を覆い尽くすように大量に存在している。

 この水平磁場は「ローカルダイナモ」と呼ばれる太陽表面付近での対流によってでき、新しい磁場の持つエネルギーは、太陽の全磁気エネルギーのかなりの部分を占めると考えられる、と研究チームは言っている。

太陽表面の粒状斑と短寿命水平磁場想像図
太陽表面の粒状斑と短寿命水平磁場想像図 (提供:国立天文台)

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