
恒星と異なり質量が小さく暗いため観測しにくい褐色矮(わい)星が、恒星と同じくらい存在している場所があることを、日本とインドの研究チームが「すばる望遠鏡」による観測で見つけた。
田村元秀・国立天文台光赤外研究部准教授、 デベンドラ・オジャ・インド・タタ研究所助教授らが、すばる望遠鏡の赤外線カメラで観測したのは、W3 メインと呼ばれる銀河系内の領域。典型的な大質量の星が形成されている場所で、カシオペア座の方向、6000光年離れたところにある。
宇宙にはさまざまな質量の星があり、太陽と同程度の重さの恒星1個に対し、太陽の半分の重さの星は10個程度あることが分かっている。しかし、太陽の重さの20分の1しかない褐色矮星については、何個あり一般の恒星の数より多いのか少ないかもよくわかっていない。
これまで褐色矮星がよく観測されているオリオン座星形成領域では、褐色矮星の数は恒星に比べ少ないことが分かっていた。今回の観測結果から研究チームは「褐色矮星の多い少ないは、銀河系の中でも領域によって違い、宇宙全体ではもっと多様な変化があるかもしれない」と言っている。