カムチャッカ半島でサケの密猟が急増していることが、世界自然保護基金(WWF)とトラフィックの調査で明らかになった。
公表された報告書「カムチャッカにおける違法、無報告、無規制の太平洋サケ漁業」によると、2003年から2006年にシロザケの漁獲量は公表された量の1.5倍あった。特にキャビアの代替品としてサケの卵を狙い川上流の産卵域で密猟が増えている。
これといった産業のないカムチャッカ半島の住民にとって密猟は大きな収入源となっており、合法的な漁獲が認められている人たちでも家計の30%が密猟によるもので、漁獲が許されていない川では、密猟による収入が家計の90-100%に及ぶところもあるという。
報告者は、ロシアのベニザケのほとんどが日本に輸出されているなど、日本がロシア産サケの最大の市場になっていることも指摘している。
「サケの資源量は違法な漁獲によって脅かされており、サケ漁を持続可能な形にするには、加工産業の発展や観光事業の増加による、新たな地域の収入源の確保などが必要」と報告書をまとめたWWF、トラフィックの担当者は言っている。