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衛星経由でタイ、フィリピンへの同報配信実験に成功

2008.11.11

 宇宙航空研究開発機構は、超高速インターネット衛星「きずな」を用い、筑波宇宙センターからタイ、フィリピンへハイビジョン映像などを同時に配信するマルチキャスト実験を行い、正常に伝送できることを確認した。

 実験は、5日から7日にかけて筑波宇宙センターに設置した地球局から、タイの国家電子コンピュータ技術センターとフィリピンの高度科学技術研究所に設置した地球局に対し行われ、「きずな」に搭載された交換機によるマルチキャスト機能が東南アジア向けアンテナでも正常に働くことが確かめられた。

 「きずな」は、2月に種子島宇宙センターからH-ⅡAロケットによって打ち上げられた。家庭での送受信を想定した超小型アンテナによる通信から、企業などによる超高速双方向通信の実現に向けた大型アンテナを使った通信実験など将来の高速大容量通信時代に備えるさまざまな実験を目的としている。

 国際的なインターネットアクセスの超高速化、特にアジア・太平洋地域の超高速通信の実現も目指しており、高速インターネット網が行き届いていない地域の遠隔医療や離れた複数拠点への遠隔教育サービスなどを可能にする技術の実証も狙っている。

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