内外で被害が続出しているフィッシング詐欺を防止する技術の公開テストを、産業技術総合研究所とヤフー株式会社が25日から始めた。
フィッシング詐欺は、著名なブランド名や会社名をかたったにせのウェブサイトにパソコンユーザーを誘い込み、パスワードや個人情報、クレジットカード番号などを入力させてかすめ盗る悪質な行為。公開テストが始まったフィッシング対策技術は、産総研とヤフーが、2006年1月から共同で研究開発を進めてきた。
フィッシング詐欺を防止する新しいパスワード相互認証プロトコルを組み込んだ産総研のテスト専用の公開ブラウザ、あるいは今回ヤフーが公開した「Lunascape for Yahoo!オークション バージョン2.x」を使ってログインすることで、テスト専用のサービス「お試し版Yahoo!オークション『新技術公開テスト用』」を利用できる。
産総研とヤフーは、公開テストで対策技術やブラウザ、サーバに関する不具合などを検証し、将来のインターネットにおけるパスワード相互認証技術の標準として普及させることを目指している。
国家公安委員会などが毎年公表する「不正アクセス行為の発生状況」によると、2007年に検挙された不正アクセス事件1,438件のうち1,157件がフィッシングでパスワードを詐取した手口によるもので、インターネットオークションのサービスが標的とされたケースが大半を占めている。