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使われるほど進化する音声情報検索システム

2008.06.13

 ユーザーが協力すればするほど性能が向上する音声情報検索システムを、産業技術総合研究所の後藤真孝・主任研究員と緒方淳・研究員らが開発した。同研究所は、インターネット上にある日本語の音声データ「ポッドキャスト」を対象としたこのシステムによる全文検索システム「「PodCastle(ポッドキャッスル)」を12日に一般公開し、実証実験を開始した。

 ポッドキャストは音声版ブログとも言われ、急速に普及している。しかし、これまでの音声認識技術では、誤認識が多く、新しい言葉にも対応できなかったため、インターネット上には多様な音声データが存在するのに対し、使い物になる音声情報検索サービスは実現していなかった。

 新しく開発されたポッドキャッスルは、不特定多数のユーザーが簡単な操作で誤認識を訂正できる新たなインターフェースが組み込まれている。さらに、不特定多数のユーザーの協力で構築されているインターネット辞書「はてなダイアリーキーワード」などを用いて開発された、新しい言葉を自動学習する仕組みも付け加えられている。この結果、多くのユーザーが利用し、訂正すればするほど音声の検索・認識性能が向上する性格を持っているという。

 ロボットやコールセンター、会議議事録作成などのさまざまな分野への応用が期待できると研究者たちは言っている。

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