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震源は四川盆地とチベット高原境界の断層

2008.05.14

 12日中国・四川省で起きたマグニチュード(M)7.8の地震について、東京大学地震研究所は、四川盆地とチベット高原との境界、北東から南西方向に伸びる断層が震源との見解を13日公表した。

 この断層は、龍門山衝上断層と呼ばれており、3本の断層と付随する褶曲(しゅうきょく)からなる。幅は約60キロで、南東−北西方向の応力(地殻が押される力)を受けている。

 震源は断層の南西端に近いところで、断層の動きは逆断層。この断層の北東端付近では、1976年8月16、23日にそれぞれM7.2の地震が発生しており、さらに33年8月25日には、今回の地震の約50キロ東側でM7.5の地震が発生した。この地震では6,800人の死者が出ており、川がせき止められてできた4つの地震湖が45日後に決壊し、洪水によって2,500人が死んだ。

 今回の地震が起きた西方、ヒマラヤ山脈の北側に当たる地域は、チベット活構造区と呼ばれ、過去に活断層で多くの地震が発生している(ヒマラヤ山脈は、かつて別の大陸だったインドが南方からプレート運動で北上、旧ユーラシア大陸と衝突、合体してできたと考えられている)。このチベット活構造区で2001年に起きた昆侖地震(M8)では、400キロにも及ぶ地震断層が地表に出現した。

 また今回地震が起きた南方、四川盆地の南西側には、チベット高原の東縁に沿って青海省から四川省を通って雲南省に至る長さ1,400キロもの康定断層帯がほぼ南北方向に走っている。この横ずれ断層でも過去にM7以上の地震が数多く起きている。

 高村外務相は13日の記者会見で、四川省の在留邦人の約4割に当たる約120人について無事は確認したが、残りはまだ連絡が取れてなく、旅行者は把握しにくいことを明らかにした。

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