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アホウドリのヒナ小笠原群島ですくすく成長

2008.05.08

小笠原群島聟島で順調に育つアホウドリのヒナ
(提供:山階鳥類研究所)

 アホウドリの繁殖地拡大を狙い伊豆諸島鳥島から小笠原群島の聟島に移送されたヒナが順調に発育していることを、山階鳥類研究所が明らかにした。

 この移住作戦は、山階鳥類研究所が米国魚類野生生物局と環境省の支援を受けて進めている。アホウドリは鳥島と尖閣諸島にしか生息していないため、鳥島の火山活動で繁殖地が破壊されるようなことがあると絶滅の恐れが高まることから、移住が試みられた。

 聟島のヒナ10羽は2月19日、生後40日程度の時に鳥島で捕獲され、350キロ南の聟島までヘリコプターで輸送された。以後、山階鳥類研究所の研究員によりスルメイカやトビウオのミンチ、ビタミン剤などの餌を与えられ、移送直前の平均体重約4.3キログラムから、4月19日時点で約6.4キログラムまで成長した。現在ではミンチにしないトビウオやスルメイカなども与えられているという。

 アホウドリは、夏の間は繁殖地の島を離れて海の上で生活し、アリューシャン列島方面に移動、一部はアラスカ、カナダからカリフォルニア沿岸にも達することが知られている。成鳥は、秋に繁殖地の島に戻って冬に子育てをするが、5歳程度までの若い鳥は島には戻らず魚類を餌に1年中海上で暮らす。聟島で人工飼育中のヒナたちは、今後、徐々に絶食して体重を減らし、約1カ月後に巣立ちを迎えるが、ヒナたちが成鳥になって島に戻ってくるかどうかは約5年後にならないと分からない。山階鳥類研究所は、今年始めた鳥島から聟島へのヒナ移住作戦を今後5年間続け、現在飼育中の1期生が島に戻ってくるのを待つという。

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