2日朝刊各紙の報道によると、環境省は北海道東部の野付半島先端部で見つかったオオハクチョウの死がいを簡易検査した結果、鳥インフルエンザウィルスの陽性反応が出た、と発表した。北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターで強毒性かどうか詳しく検査が行われる。4月21日、秋田県の十和田湖畔で見つかったオオハクチョウの死骸から、強毒性の鳥インフルエンザウィルス「H5N1型」が検出されているが、北海道で陽性反応が出たのははじめて。
農林水産省は、1日、秋田県で「H5N1型」ウイルスが検出されたのを受けて、青森、秋田、岩手の3県を中心とする関係機関に、鶏を飼養している農場の消毒(消石灰などの散布)を徹底するよう通知した。消毒の対象となるのは感染が確認されたオオハクチョウが発見された地点から半径30キロ圏内にある青森、秋田、岩手3県の1,000羽以上の鶏を飼養する養鶏農場56戸と、それ以外でも家畜防疫員が必要と認める農場、さらに3県以外で知事が必要と判断し、家畜防疫員が必要と認める養鶏農場も含まれる。実施期間は5月1日から31日までで、費用は国が負担する。
一方、養鶏生産者団体などが会員となっている社団法人日本養鶏協会は30日、注意を促すお知らせをホームページに掲載した。
それによると、現在、韓国の養鶏農家などで広範にH5N1型の鳥インフルエンザが発生している状況や、2006年1〜4月に欧州各地で発生した鳥インフルエンザウイルス「H5N1型」もコブハクチョウが原因とされていることを挙げ、「ハクチョウはカモ同様、水禽類であり渡り鳥であることから、秋田県十和田湖近辺のみの問題と限定的に考えてはならない」、「養鶏関係者はしばらくの間、従業員・家族ともに渡り鳥などの水禽類の生息地には近づかない。特に、へい死の水禽類および糞(ふん)には絶対に触れない」、「ウイルス感染症においては、感染の成立には一定量以上のウイルス量(感染量)を必要とするため、バイオセキュリティ対策としての隔離に努め、過剰反応はすべきではない。このため、消毒・隔離を徹底して実施し、むやみに外部者を養鶏場内には立ち入らせない」などの注意を呼びかけている。