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ヒトES細胞研究の規制緩和求め学会声明

2008.03.19

 ヒト胚性幹細胞(ES細胞)研究の規制緩和を求める声明を、日本再生医療学会(理事長・中内啓光東京大学医科学研究所教授)が発表した。

 声明は、日本がマウスやサルを使用したES細胞研究においては世界をリードする研究実績を誇るものの、ヒトES細胞に関してはつくりだしたヒトES細胞の株数、発表論文数において欧米諸国のみならずアジア・オセアニア地区の国々と比べても大きく遅れをとっている現状を明らかにしている。

 その原因の一つとして「既に樹立されているES細胞の使用研究にもES細胞樹立の際と同様の厳しい二重審査を要求するという、世界に類をみないES細胞研究指針」の存在を挙げている。

 幹細胞研究分野では、受精卵を使わない人工多能性幹細胞(iPS細胞)が、山中伸弥・京都大学教授によって作り出されたことで、再生医療などへの応用を目指す研究の国際競争が一層激しくなっている。日本再生医療学会の声明は「わが国発の画期的なiPS細胞の研究を進めていく上でもヒトES細胞の研究利用は必須である。世界でも有数の高齢者社会を迎えつつあるわが国において、幹細胞研究を迅速に進め、再生医療を実現することは国民の福祉と健康の増進のみならず、医療関連産業や知財といった経済的な側面からも極めて重要」として、ヒトES細胞研究指針の規制緩和を強く求めている。

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