データは読み取れるが問題解決能力には課題があるという結果が、文部科学省と国立教育政策研究所の実施した小中学生を対象にした調査で、あらためて明らかになった。
この調査は、2002年の中央教育審議会答申に基づいて実施されたもので、特定の課題を設定して学力の現状を把握することを狙っている。今回は、「予想や推論を立て、それを確かめるための観察や実験方法を考案し、観察や実験の結果から実際の結論を導き出す力」と「観察・実験における技能」という理科教育で期待されている学力に焦点を当て、実態を把握することを目的としている。
調査結果は、小中学生とも「提示した事物や事象を把握することはできるが、見通しを持って、自ら観察・実験の方法を考案することに課題」があり、さらに「観察・実験の結果やデータを読み取ることはできるが、観察・実験の結果やデータを基にして考察し、結論を導き出すことにも課題」があることが、明らかになった。
今回の調査は全国の小学校111校5年生3,284人、中学校100校2年生3,196人を対象に昨年1、2月に行われた。ビデオ映像を取り入れ、児童・生徒が観察・実験をしている実感をもたせる形の調査方法を採った。このうち、小・中学校それぞれ10校では実際に観察・実験をさせて技能を見る調査が実施された。