宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測研究センターは、日米の地球観測衛星の観測データを用いて世界の雨量分布図を作成、インターネット上で公開するシステムを開発し、画像の公開を始めた。
https://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index_j.htm をクリックすると、世界地図が表示され、どの地域にどの程度の雨が降っているかが、色の違いから一目で分かる。表示されているのは4時間前のデータで、1時間ごとに新しいデータに更新される。また、画面上部のボタンをクリックすると10時間前からの分布図(1時間ごと)がすべて表示され、「Movie」をクリックすると24時間前からの雨量変化をアニメーション画像で見ることもできる。
台風や豪雨災害に悩まされているアジアの発展途上国などへの速やかな情報提供とともに、将来は台風予測の検証や予測精度の向上などにも貢献できる、と地球観測研究センターは言っている。
観測後4時間というリアルタイムに近い雨量データを表示するシステムは、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)のプロジェクト「衛星による高精度高分解能全球降水マップの作成」(研究代表者:岡本謙一・大阪府立大学大学院工学研究科教授)による研究成果を利用することで可能になった。日米の共同ミッションとして打ち上げられた熱帯降雨観測衛星、米国の地球観測衛星「Aqua」、米国の軍事気象衛星「DMSP」、日本の静止気象衛星による観測データが利用されている。