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電荷持つ新中間子発見

2007.11.12

 電荷を持つ新しい中間子と見られる新粒子が、高エネルギー加速器研究機構の研究者を中心とする国際チームによって発見された。

 中間子は、湯川秀樹博士によって初めて存在が予言された。高エネルギー加速器研究機構の電子陽電子衝突型加速器を用いたBelle実験とよばれる国際研究が始まるまでに、数百種類の中間子が見つかっている。これらは、すべて1個のクォークと1個の反クォークから成ると考えられている。

 今回、山内正則・高エネルギー加速器研究機構教授、飯嶋徹・名古屋大学大学院理学研究科准教授を共同代表とするBelle実験チームは、電子陽電子衝突型加速器で生成されたB中間子−反B中間子対の崩壊を詳細に解析した結果、崩壊の過程で新しい粒子が存在したと見られる例を120発見した。この新粒子は陽子の約4.7倍の質量を持つ荷電粒子であることが分かり、Z(4430)と名づけられた。

 Belle実験チームは、これまでにも、今回見つかった中間子と同様の重さを持つ粒子を4種類見つけている。これらは1個のクォークと1個の反クォークから成る従来の中間子と異なり、4個のクォークが結合した新粒子と見られている。しかし、今回見つかった粒子は、クォーク4個から成ると見られる点はこれまでBelle実験で見つかった4種類の新粒子と同じだが、電荷を持つという大きな違いがある。

 Belle実験チームは、「従来の中間子の描像にあてはまらない新しい複合粒子の可能性がある」と言っている。

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