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アジア地域のNOx排出量20年間で3倍増

2007.10.11

 アジア地域の窒素酸化物(NOx)排出量が、1980〜2003年の間で約3倍に増加していることが、国立環境研究所、海洋研究開発機構、九州大学、総合地球環境学研究所の研究グループの調査で明らかになった。

 NOxは、石炭や石油の燃焼によって大気中に放出され、光化学オキシダント濃度の増加や、酸性雨などの原因になっている。NOxによって、オゾンや酸性物質、粒子状物質が大気中に増えるためだ。最近、日本で光化学オキシダント濃度が増加し続けており、この原因としてアジア大陸からの影響が考えられているが、これまでどのくらいの量のNOxがアジア地域で発生しているか、はっきりしたことは分かっていなかった。

 調査対象となったのは、アフガニスタン以東の24カ国で、燃料消費量や工業生産量、自動車走行量、人口などの統計データや排出規制動向などのデータをもとに、排出量を算出した。2000年時点で、もっともNOxを排出しているのは中国で全体の65%を占めており、続いてインドの17% となっている。

 2020年の排出量見通しについても、3つのケースに分けて試算しているが、持続可能性追求型(エネルギー対策や環境対策を適度に進めたシナリオ)でも、2000年時点の1.4倍に増えると予測された。

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