単にキーワードを含むかどうかではなく、入れた複数の単語から文脈や概念を抽出してさまざまな関連語句をたちどころに表示する「発想支援ソフト」を、稲垣耕作・京都大学情報学研究科准教授と同大学から生まれたベンチャー企業が開発した。
たとえば「便利なスリッパ」と入力すると、インターネット探索結果から、「履いて歩くだけで床掃除」、「携帯にも便利なスリッパ」、「体の向き変えず履ける」など意味を持つつながりのある言葉として関連語句が、数秒で300件表示される。
この発想支援ソフトの基となったのは、川喜田二郎氏のKJ法、梅棹忠夫氏の京大式カードなど、かつて京都大学グループが生み出したカード式発想支援法。稲垣准教授とベンチャー企業「AIセンチュリー」は、新しい発想支援ソフトを「アイデア革命」と名付けた。大学発ベンチャーの社会貢献活動として、「アイデア革命スクール版」(50本組)を小中高校・民族学校など100校に抽選で無償提供する。
グーグルやヤフーなどの検索エンジンは、「単語」という単位で検索を行っている。連想エンジンとして開発されている他のシステムも、統計的にその単語とともに使われることの多い関連の「単語」を表示する方式が採用されている。これに対し、「アイデア革命」は、インターネットのハイパーリンクを利用して、新開発の「連想エンジン」機能が人間のひらめき思考能力を代行し、人間の能力を強力に補完する新しい人工知能型の発想支援ソフトだ、と稲垣准教授らは言っている。