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すべての震動計測できるディジタル地震計実用化

2007.09.06

すべての震動計測できるディジタル地震計
(提供:科学技術振興機構)

 脈動レベルの小さなものから激震まですべての地震動を一台で観測できるディジタルサーボ地震計が、開発された。

 木下繁夫・横浜市立大学国際総合科学研究科教授らの研究成果を基に、科学技術振興機構が株式会社東京測振に企業化を委託していたもので、同機構が実用可能な開発に成功したと認定した。委託開発費は1億3,500万円。

 現在使われている地震計はアナログ式で、測定できる範囲が限られている。このため、日本の地震観測も、強い揺れが観測できる地震計ネットワーク(防災科学技術研究所が運営)と世界標準地震計観測網(米地質調査所が統括)の2本立てとなっている。

 新しく開発された地震計は、制御部の回路をすべてディジタル化し、広帯域化とノイズの低減を図り、さらに機構部分は振り子の支持に極めて柔軟なバネを採用している。これにより、これまでのアナログ地震計の弱点を克服、脈動レベルの小さなものから激震まで1台で計測できる地震計を実現した。

 計測コストの削減、データ解析が容易になるなどのメリットがあることから、今後、全国各地の地震観測網への適用をはじめ、地震発生メカニズムや火山活動の解明に大きく貢献することが期待されている。

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