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東南海地震に備え海底ネットワーク観測システム

2007.08.08

地震・津波観測監視システム観測点配置地図

 近い将来、間違いなく再来すると予測されている東南海地震の発生を瞬時にとらえることを狙った地震・津波観測監視システムの観測地点が決まった。

 同システムは、海洋研究開発機構が中心となり、東京大学地震研究所、東北大学、名古屋大学、防災科学技術研究所が参加して進めるプロジェクト。三重県尾鷲市の南東方向、水深1,900〜4,300メートルの熊野灘に計20個の観測装置が据え付けられる。

 観測装置は地震計と精密水圧計(津波計)から成り、15〜25キロの間隔で海底に設置される。各観測装置は海底ケーブルで結ばれ、データはリアルタイムで、尾鷲市の古江小学校(廃校)に設けられる地上局に集められ、そこから海洋研究開発機構を初めとする関係機関に送られる。地震発生を瞬時にとらえ、津波予測をいち早く行うことで地震被害の軽減を図るほか、地震予測モデルを向上させるためのデータ蓄積も狙っている。

 今年度に海底ケーブルルートなどの調査を進め、2009年度にシステムを完成させ、10年度から運用を開始する。

 地震・津波観測監視システムが設けられる熊野灘は、フィリピン海プレートが潜り込む場所である南海トラフが日本列島に沿って延びており、過去、何度もマグニチュード8クラスの巨大地震が起きている。1944年の東南海地震が起きてから既に60年以上たっていることから、今後30年以内に次の東南海地震が起きる確率は60〜70%とされている。

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