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地球シミュレータ産業界へも利用開放

2007.06.15

 地球規模の気候変動予測など公的な課題で特に力を発揮してきたスーパーコンピューター「地球シミュレータ」が、15日から企業などにも利用の道が広げられることになった。

 地球シミュレータを運用する海洋研究開発機構が14日、利用申し込み要領を公表した。

 地球シミュレータは、コンピュータ内に仮想地球を作り、中長期的な地球環境の変化や災害などの予測が速やかにできるようにすることを目的に国のプロジェクトとして開発され、地球温暖化対策の基礎データを提供するなど国際的にも大きな役割を果たしている。自動車、航空宇宙産業のほか、バイオ、ナノ分野といった今後、産業応用が期待される分野での構造解析やシミュレーションにも活用されている。

 利用については、成果の速やかな公開が原則となっており、成果を非公開とする有償利用を求める産業界の声が強まっていた。海洋研究開発機構は、試行的に成果専有型の有償利用を認めていたが、イノベーションの創出・促進という社会的な要請を受けて今回、企業などが独自の目的で利用できる道を広げることになった。

 利用料金は、1ノード×時間あたり1,585円。成果はすべて利用者に帰属する。

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