2本の長い糸(フィラメント)を持つことから新種と見られるクラゲを、海洋研究開発機構の無人探査機「かいこう」が、琉球海溝の海底で撮影することに成功した。
このクラゲは、2002年4月5日、「かいこう」が訓練潜行中に、水深7,217メートルの海底で撮影した。
本体部分の大きさは、10〜20センチ程度だが、長さが約1.5〜2.5メートルとみられる2本のフィラメントを持ち、これをいかりのように海底に付着させ、凧(たこ)のように浮いている。さらに、フィラメントとは別に2本の触手があり、これで餌となる生物を捕まえているとみられる。
櫛(くし)板を8本持っていることから、有櫛動物門(クシクラゲ)の1種で、2本の長い触手からフウセンクラゲの仲間とみられる。しかし、フウセンクラゲの仲間にはないフィラメントを持つことから新種の可能性が高い、と海洋研究開発機構は言っている。
クシクラゲ類の仲間には、沿岸にしばしば出現するウリクラゲ、カブトクラゲ、フウセンクラゲなどが含まれる。刺胞動物門に属するミズクラゲ、エチゼンクラゲなどとは、クラゲと呼ばれているものの、分類学的には別の門に属する。