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細胞が外の物質を取り込む手口突き止める

2007.05.22

EFCドメインによる生体膜チューブ化のモデル
EFCドメインによる生体膜チューブ化のモデル

 細胞が外部の物質を取り込んでしまうのは、あるタンパクが細胞の脂質膜に取りつき、らせん状にからみついて伸びることで、生体膜を筒状にし、外部の物質ごと細胞内に引っ張り込むという仕組みによることを、理化学研究所、東京大学、科学技術振興機構が共同で突き止めた。

 このタンパクは、EFCドメインと呼ばれる構造を持っており、EFCドメインは大型放射光施設Spring-8からのシンクロトロン放射光による解析の結果、長く湾曲した弓形の構造をしていることが確認された。研究チームは、弓形の内側の部分が、脂質膜にらせん状に巻き付き、筒状にすることを電子顕微鏡による観察で確認した。

 細胞外から物質を取り込む生体の仕組みは、古くから知られ、研究されてきた基本的な生命現象だが、不明な点が数多く残されていた。病原体やウイルスの細胞内への侵入や、細胞のがん化などに密接に関連しているほか、糖尿病や筋疾患、神経疾患、免疫性疾患にも関係していることから、これらの疾患解明の基礎となる成果と期待されている。

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