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イオン照射でパステルカラーの花色実現

2007.05.15

イオンビーム育種によるオステオスペルマム新品種
イオンビーム育種によるオステオスペルマム新品種 (提供:群馬県農業技術センター)

 培養葉片にイオンビームを当てて、自然にはないパステルカラーの花弁を持つオステオスペルマムをつくり出すことに、群馬県農業技術センターと日本原子力研究開発機構が成功した。

 オステオスペルマムはキク科の多年草で、鉢花や花壇材料として人気がある。国際園芸博覧会(フロリアード2002)で金賞を受賞するなど、世界でもトップレベルの育種家、関口政行氏(群馬県農業技術センター地域研究員)が育成した品種「マザーシンフォニー」の培養葉片に、日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設で発生させた炭素イオンを照射することで、軟らかい中間色であるパステルカラーの花弁にピンクのストライプが入るこれまでにない花色が実現した。

 親品種「マザーシンフォニー」は、国際園芸博覧会で銀賞を受賞している。新品種「ヴィエントフラミンゴ(仮称)」は、この親品種の優れた特性を受け継いでいるため、病虫害に強い上に開花期間が長く、冬から初夏まで花が楽しめる。

 群馬県農業技術センターは、新品種の親株を今年度中に群馬県内生産者に配布する。

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