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高脂血症治療薬に睡眠障害に対する効果も

2007.04.26

 高脂血症治療薬として長い歴史を持つフィブレート系薬剤が、24時間のリズムをコントロールする「体内時計」を変える効能があることを、産業技術総合研究所などの研究チームがマウスを使った実験で確かめた。

 睡眠(リズム)障害の新しい治療薬や、時差ぼけ解消薬として応用の可能性が期待されている。

 産業技術総合研究所の生物時計研究グループ(石田直理雄・ 研究グループ長)らは、通常、活動時間帯が夜間に限られているマウスに、フィブレートを餌とともに投与すると、活動時間帯が約3時間前進(早寝早起き)することを確かめた。

 また、活動時間帯が後退(夜更かし朝寝坊型)する睡眠相後退症候群のモデルマウスに、フィブレートを投与したところ、活動時間帯の正常化が確認された。

 研究グループは、体内時計と食事の関係に注目して研究を行ってきたが、脂質代謝系が体内時計によって強く制御されていることを発見した。脂肪酸代謝において中心的な役割を担っているタンパクであるPPARαと呼ばれる核内受容体に着目、このPPARαに特異的に結合することが知られていたフィブレートが、体内時計に与える効果を調べた結果、今回の発見につながった。

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