政府のバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議が、「2030年までに国産バイオマス燃料の生産を原油換算で年間360万キロリットルに拡大する」という工程表を27日、まとめた。
この量は、現在のガソリン消費量の1割に相当する。
工程表によると、当面は、さとうきび糖みつや規格外小麦などのデンプン質など調達が容易な原料や廃棄物からのエタノール生産を行い、2010年ごろまでに原油換算で3万キロリットル程度の生産を見込んでいる。
その後は、稲わらや木材などのセルロース系原料や資源作物から効率よくエタノールを製造できる技術を開発し、2030年には、バイオマス燃料の生産を原油換算で年産360万キロリットルまで拡大するとしている。
バイオエタノールの生産では、米国、ブラジル両国が突出しており、両国だけで世界の生産量の約7割を占めている。
日本の取り組みは遅れており、工程表の生産量を実現するには、技術面の課題だけでも効率的なエタノール生産技術のほか、バイオマス量の大きな資源作物の育成、省力・低コストの栽培技術の開発、さらには稲わら、林地残材などの原料を安く収集、運搬するシステムの整備などが必要、とされている。