戦略的創造研究推進事業・総括実施型研究(ERATOタイプ)の新規領域、研究総括が、「光エネルギー変換システム」と橋本和仁・東京大学大学院教授にと決まった。5年のプロジェクトとしてスタートする。
新しく採用された研究領域は、光エネルギーを主としたエネルギー変換材料の創製を目指す。まず材料の利用目的を想定し、その目的にあわせて物質のナノ構造を最適化するという視点から新規材料を設計・作成する研究手法が特徴。
具体的に狙う材料は「高効率な有機薄膜太陽電池」「耐久性に優れた無機人工光合成ナノデバイス」「微生物のもつ自己修復能などの優れた機能を利用した新たな燃料電池や環境浄化材料」となっている。
橋本教授は、酸化チタンのナノ薄膜・ナノ粒子光触媒を用いた数々の基礎・応用研究業績で知られるほか、光で強磁性を可逆的に発現させることのできる材料を世界ではじめて設計・合成することに成功し、錯体化学の分野に新しく「光磁性材料」の分野を築いた。