高速増殖炉の実証炉は、基本設計をメーカー1社に責任を集中する形で進める方針が決まり、文部科学省、経済産業省、電気事業連合会、日本原子力研究開発機構が27日、発表した。
発表によると、これまで高速増殖炉の研究開発で行われていた有力メーカーによる「護送船団方式を脱却し、明確な責任体制のもとで、効率的に高速増殖炉開発を実施できるよう、中核メーカー1社に責任と権限およびエンジニアリング機能を集中する」とされた。
この基本方針は、同日開かれた原子力委員会でも了承された。
原子力委員会は、26日に今後10年程度をにらんだ「高速増殖炉サイクル技術の研究開発に関する基本方針」を決定している。
それによると、高速増殖炉は、2050年ごろの実用化を目指すとされている。この目標に向けて、燃料も含めた「高速増殖炉サイクルの実用施設、実証施設の概念設計と、実用化に至るまでの研究開発計画」を2015年までに示す、としている。
今後、実証炉の基本設計は中核メーカー1社に責任を持たせるという関係省、機関による27日の決定と、この原子力委員会の基本方針に沿って、高速増殖炉の開発が進められることになる。
また原子力委員会の基本方針は、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」について、2008年度の運転再開を、日本原子力研究開発機構に求めている。