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社会常識、一般教養に欠ける若手研究者像

2006.12.20

 若手研究者の3人に1人ないし4人に1人は、社会常識や一般常識に欠けるとみられている実態が、19日公表された文部科学省の調査報告書から明らかになった。

 この調査は「我が国の研究活動の実態に関する調査報告」。科学技術振興機構の論文データベースから、民間企業50%、大学30%、公的研究機関15%、その他5%という割合で無作為抽出した2,000人の研究者を対象に実施、1,024人から回答を得ている。

 この中で、若手研究者の能力についてさまざまな観点から質問をした結果が、示されている。

 「社会常識」について、「非常に高い」という答えは、わずか1.1%。「高い」も9.1%にとどまった。これに対し「非常に低い」が、5.6%、「低い」が、26.5%に上った。

 また「一般教養」についても、「非常に高い」は、0.9%。「高い」も12.5%と似たような傾向。他方、「非常に低い」は、4.1%、「低い」は、23.5%となっている。

 結局、通常、社会人に期待される「社会常識」や「一般教養」で、見劣りするとみなされた若手研究者が、およそ3人に1人、あるいは4人に1人いるという結果になっている。

 「専門分野の知識」については、さすがに「非常に低い」は、0.2%だけ。「低い」も、5.8%に収まっている。

 しかし「課題設定能力」については、「非常に高い」が、0.6%しかなく、「高い」も、13.3%(「非常に低い」と「低い」を合わせると約37%)。「創造性」も、「非常に高い」が、0.6%、「高い」が、12.6%にとどまっており(「非常に低い」と「低い」を合わせると35%)、研究者としての能力についても、厳しい評価となっていることが明らかになった。

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