昨年秋に茨城県南部で見つかった鳥インフルエンザウイルスは、中米から持ち込まれた可能性が高い、という報告を、農林水産省の感染経路究明チームがまとめ、公表した。
報告によると、原因ウイルスは、グアテマラやメキシコで分離された弱毒ウイルス株と極めて似ており、日本の近隣諸国では、この株による発生がない。中米から日本に直接飛来する野鳥は知られてなく、自然宿主であるアイガモなどの水きん類よりも鶏に感染しやすい。
感染経路については、中米由来のウイルス株から作られた未承認ワクチンかウイルスそのものが持ち込まれて、不法に使用された可能性は否定できない、としている。
ただし、農場関係者が発生国などへ旅行した際に、ウイルスを持ち込んだ可能性を裏付ける事実は確認されなかった。また、中米などの関係国政府から、分離ウイルスの遺伝子情報や未承認ワクチンに関する情報を収集したが、分離ウイルスの由来は明らかにすることはできなかった、という。