ニュース

長寿の秘密はミトコンドリア遺伝子に

2006.08.11

 細胞内にあるミトコンドリアのわずかな遺伝子の違いが、日本人と欧米人の寿命の違いに関係している可能性がある。

 理化学研究所と東京都老人総合研究所のチームが、このような研究結果を発表した。

 ミトコンドリアは、エネルギー代謝など重要な役割を果たしている。細胞核のDNAとは別のDNAを持っており、さらに細胞核のDNAに比べて個人差が非常に大きいという特徴を持っている。

 研究チームは、ミトコンドリアの遺伝子上にある1つのDNAに、1個の塩基だけが異なるA型とG型の2種類があり、このG型DNAを持つ割合が、日本人では7割、とりわけ百歳以上の長寿者では約8割を占めているのに対し、欧米人は3割だけであることを突き止めた。

 欧米人に多いA型は、アルツハイマー病、パーキンソン病、そううつ病などになりやすい因子であることがすでに報告されていたが、さらに糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞(こうそく)などの生活習慣病にも関連している可能性が高いことが分かった。

 A型を持つ人は、ミトコンドリアの機能が変化してさまざまな病気になりやすく、一方G型を持っていると、これらの病気にかかりにくいため、長寿になる可能性が考えられる、と研究チームは言っている。

ページトップへ