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学術会議がこどもを元気にするシンポジウム

2006.08.08

 子供の活力が低下している原因を探り、元気にするための方策を検討している日本学術会議の委員会が、「子どもを元気にする環境とは」というシンポジウムを、9月4日に同会議で開くことを明らかにした。

 シンポジウムでは、黒川清・日本学術会議会長の基調講演のほか、人文科学、生命科学、理工学分野の研究者や関係官庁の担当官らによる講演、討論が予定されている。

 主催者で、2月に学術会議に設けられた「子どもを元気にする環境づくり戦略・政策検討委員会」(委員長・仙田満・東京工業大名誉教授)の委員会設置提案書によると、「体力・運動能力はこの10年間で約10%減少、学力も約10%減少、不登校児、肥満児は約2倍、幼児虐待は10倍。学習意欲はこの25年間に30ポイントも減った」と、日本の子供たちの元気のなさを示すデータが列挙されている。

 子供から元気を奪った原因の一つとして「40年間に子どもの遊び空間は、40分の1程度に減少している」という実態を挙げ、こうした観点から超高層ビルに子供が住む悪影響を指摘、都市のマンション開発では駐車場は地下につくり、地上は公園にするといった国家的な取り組みの必要を訴えている。

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