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免疫反応、亜鉛が伝令役

2006.08.07

 免疫反応に細胞の中の亜鉛が重要な働きを担っていることを、平野俊夫・大阪大教授(理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター・グループディレクター)ら大阪大、理化学研究所の研究チームが、突き止めた。

 亜鉛は、欠乏すると成長障害や免疫不全、味覚障害などを起こし、生体の不可欠な成分であることがこれまで知られていた。しかし、亜鉛の濃度が変化することによって、細胞の増殖、分化や機能を調節する働きを持つことは、全く考えられていなかった。

 細菌やウイルスの感染を防いだり、がん細胞に対する攻撃など、免疫機能は体内で重要な役割を果たしており、免疫機能の異常によってアレルギーや自己免疫疾患といった病気を引き起こすことが分かっている。

 今回の発見は、細胞内の亜鉛濃度を調節する方法が見つかれば、免疫応答をコントロールすることも可能であることを示している。

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