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果樹の新品種育成DNAマーカーで大幅効率化

2006.08.03

 農業・食品産業技術総合研究機構の果樹研究所が、長年かかる果物の品種改良を短期間で効率よく行えるDNAマーカーを開発した。「有用遺伝子活用のための植物(イネ)・動物ゲノム研究」で得られた成果を活用した。

 例えば、ニホンナシは、黒星病と黒斑病が最も厄介な病気で、特に黒星病に抵抗力のある栽培品種はない。研究チームは、ニホンナシの品種「巾着」やセイヨウナシの品種「ラ・フランス」の中で、黒星病に抵抗性を持つ個体を簡単に検出できるDNAマーカーを多数見つけ出した。

 また、種なしでしかも病気に強い品種が喜ばれるかんきつ類では、それぞれの性質にかかわるDNAマーカーを見つけた。

 これらのDNAマーカーを用い、種子から発芽した若い葉のDNAを調べることによって、好ましい性質を持つ個体を簡単に見分けることができる。それらの苗だけを育てることで、長期間と広い育種場所を必要とする果樹の品種改良を効率よく進めることが可能になった。

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