南極のオゾンホールが最大になった2003年に、上空15-18キロのオゾンがすべて、フロンなどオゾン層破壊物質の影響で破壊されていた、と15日、国立環境研究所が発表した。
同研究所の中島英彰・主席研究員らが、人工衛星「みどりII」に搭載されているオゾン層観測センサの観測データを調べた結果、明らかになった。
「みどりII」は、2003年10月末、太陽電池パドルの故障で観測不能になったが、同年に南極オゾンホールが史上最大に拡大したほぼ全期間の観測データが得られた。
観測結果から、冬季に発生する極成層圏雲がオゾン破壊に大きな役割を果たしていることも明らかになった。
オゾン層破壊物質の生産、使用規制にもかかわらず、南極オゾンホールの規模は、2000年代に入っても全体として横ばい状態にある。