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有人宇宙飛行に対する関心

掲載日:2010年4月6日

山崎直子さんが初めて宇宙に飛び立った。今回のシャトル飛行の主な任務は、国際宇宙ステーション(ISS)に必要な実験機器などを運び、ISSから役割の終えた機器や不要品を持ち帰ることと伝えられている。

ディスカバリーの発射成功を報じる6日朝の新聞報道から、宇宙開発に関する一般国民の関心の度合いを推し量ることは可能だろうか。社会面を見る限り、昔ながらの記事が並んでいるようで比較は難しい。解説的記事の中から目を引く記述を探してみる。

「ISSでは、無重力を利用して新素材や新薬の開発につなげる実験などが行われているが、『成果』はまだ出ていない。飛行士の生活や一般向けの実験をする姿ばかりが伝えられがちで、宇宙関係者には『これで国民の理解が得られるのだろうか』との声もある」(朝日新聞2面「時時刻刻』欄)

「財政難の米国にとって、月や火星は現実的な目的地ではなくなった。各国とも事情は似ており、『当面、ロケットの行き先はISSしかない』(宇宙航空研究開発機構)」。「日本の宇宙開発予算は年間3,000億円だが、このうちISS関連の費用が毎年400億円に上る。技術の進歩で、宇宙でしかできない実験が以前に比べ減ったことから、費用対効果への疑問も生じ、有人宇宙飛行に対する風当たりは強まっている」(いずれも読売新聞総合面「スキャナー」欄)

両紙以外に、これといった批判的な記述は見あたらないのだが、一方、ISSでの有人活動の成果や、なぜ日本が有人宇宙活動を必要とするかについても、分かりやすい解説はなかったように見える。

ISSで行われる実験について研究者の多くは本当に意義が大きいと思っているのか? 米国が当初はともかく、途中からISSにかかわってきた主な理由は、将来の月や火星探査に備えた長期間の宇宙滞在に人間が耐えられることを裏付けるデータがほしかったからではないのか? その月探査や火星探査を有人でやる意義がどれほどあるのだろうか? 国際宇宙ステーションでの飛行士たちの活動を子どもたちに科学への関心を持たせる“大型科学コミュニケーション活動”ととらえているかのような報道に、多くの国民は飽き飽きしてはいないのだろうか。

こうした疑問にこたえる記事がもっとあってよい、と考える読者もまた少なくないと思われるが、どうだろう。

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