レビュー

バリアバリューデザイン

2008.08.08

 6日、九州大学ユーザーサイエンス機構が東京で開いた特別セミナー「デザインと新価値創造」で、「バリアバリューデザイン」という言葉を初めて聞いた。

 講演をした赤池学・ユニバーサルデザイン総合研究所所長が唱える新しい考え方らしい。「バリアフリー」という世に広まっている考え方の限界を鋭く見極め、より積極的な方向を示した設計思想ということだろうか。

 赤池 氏が紹介した中に、日本のタオルメーカーがドイツに拠点を持つNPOと連携して製品化したタオルがある。目の見えない障害者には、健常者にはない能力や感性がある。この能力、感性を生かしてつくりあげたタオルは、通常より高価であっても商品として社会に受け入れられているということだ。

 障害者の抱えるハンデを軽減してやる。こうした障害者を弱者として見ることから抜け出していない「バリアフリー」の考え方を批判しているともいえる「バリアバリューデザイン」が、これからどれだけ社会に広まるのか、興味を引かれた。

 ちなみに赤池 氏が今進めていることは、目の見えない人と一緒にパソコンを開発することだという。

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