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米有人宇宙船が帰還 9年ぶり、ロシア依存に終止符

掲載日:2020年8月4日

米国の民間有人宇宙船「クルードラゴン」の試験機が日本時間3日午前(米東部時間2日午後)、飛行士2人を乗せ、国際宇宙ステーション(ISS)から米フロリダ沖に帰還した。2人は無事。米国は2011年のスペースシャトル廃止以来、9年ぶりに有人船の往復を復活させ、ロシア依存に終止符を打った。米航空宇宙局(NASA)は、来月にも本格運用の初号機に日本人飛行士の野口聡一さん(55)ら4人が搭乗するとしている。

洋上に帰還するクルードラゴン=日本時間3日午前3時48分(NASAテレビから)
洋上に帰還するクルードラゴン=日本時間3日午前3時48分(NASAテレビから)

試験機は2日午前8時35分、高度約400キロにあるISSから離脱した。徐々に降下して大気圏に突入。パラシュートを開いて3日午前3時48分、米フロリダ州ペンサコーラ沖のメキシコ湾に着水した。機体が回収船に引き揚げられた後、米国のロバート・ベンケン(50)、ダグラス・ハーリー(53)両飛行士が無事に降機した。米国の民間有人船が宇宙基地と往復したのは初めて。米国の有人船が着水により帰還したのは、1975年にアポロ宇宙船を使い旧ソ連と共同実験を行って以来、45年ぶりとなった。

回収船上でクルードラゴンから降機したダグラス・ハーリー飛行士(ビル・インガルス氏撮影、NASA提供)
回収船上でクルードラゴンから降機したダグラス・ハーリー飛行士(ビル・インガルス氏撮影、NASA提供)

米国はシャトル廃止後、運賃を支払う形でロシアの宇宙船「ソユーズ」に飛行士を乗せている。クルードラゴンはNASAと契約した宇宙開発企業「スペースX」が無人の物資補給機「ドラゴン」をベースに開発した。NASAのジム・ブライデンスタイン長官は「お帰りなさい。信じ難いほどの仕事をこなしたNASAとスペースXのチームをたたえたい。かつて不可能とされたことを、共に働くことで成し遂げた」と祝福した。

試験機は5月31日に打ち上げられ同日にISSに到着。2人は62日間にわたり、物理実験や船外活動などに従事した。

NASAとスペースXは今回の飛行結果を検証した上で、9月下旬にも本格運用の初号機を打ち上げる。試験機の帰還を受け、初号機に搭乗する野口さんは同乗する米国人3人と会見。「大変光栄だ。私にはシャトルやソユーズの搭乗経験はあるが、スペースXはルーキー(初心者)で多くを学んでいる。物の見方や経験が異なる仲間と多様性を発揮し、素晴らしい活動になる」と意気込みを語った。

会見で次の飛行の抱負を語る野口聡一さん(右端、NASAテレビから)
会見で次の飛行の抱負を語る野口聡一さん(右端、NASAテレビから)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は野口さんに続き星出彰彦さん(51)が来年春ごろ、クルードラゴンの本格運用2号機で飛行すると7月28日に発表している。星出さんの飛行は3回目で、日本人2人目となるISS船長を務める。

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