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コロナ禍で専門家や学会が積極的に発信 専門家有志の会が感染者に「あなたは悪くない」

掲載日:2020年4月13日

新型コロナウイルス感染症は国内外で感染拡大が収まらず、多くの人の間で不安が広がっている。こうした状況の中で感染症の専門家やさまざまな医学会が、一般的な感染防止のためのアドバイスや医療情報など多様な情報を積極的に発信している。この中で「コロナ専門家有志の会」が感染者やその家族に向けて「あなたは悪くない。自身を責める必要も差別を受ける理由もまったくない」などとメッセージを送っている。

米国の患者から分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像(Credit: NIAID-RML)
米国の患者から分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像(Credit: NIAID-RML)

13日現在でさまざまな発信が行われている。政府・新型コロナウイルス感染症対策本部の専門家会議副座長を務める尾身茂・地域医療機能推進機構理事長や大曲貴夫・国立国際医療研究センター国際感染症センター長、押谷仁・東北大学大学院医学系研究科教授ら専門家21人が5日、「コロナ専門家有志の会」のホームページ(HP)(https://note.stopcovid19.jp/)を立ち上げ、積極的に情報発信している。HPによると、「全世代のみなさまに いま、拡散してほしいこと」と題し、「コロナとの戦いは、専門家会議や国だけでなく、民間を含めた全市民が連帯して行わなければなりません」と訴え、HPはコロナと戦うための知恵を直接市民に伝えることが目的としている。

そして、感染防止に必要な項目ごとに注意事項やメッセージを発信している。この中で「戦う相手は人ではなくウイルス」と題し、感染者や家族に向け、「あなたは悪くありません。ご自身を責める必要も、差別を受ける理由もまったくありません。一人で抱え込まず、社会全体で新型コロナとむきあっていきましょう」と訴えている。背景には、感染者や医療感染者らが、いわれなき差別や中傷を受けるケースが伝えられている実態がある。

多くの医学会も危機感を強めてさまざまな形で情報発信している。日本眼科学会と日本眼科医会は、接触感染では結膜からウイルスが入る可能性がある、として感染予防のための注意事項をまとめ、HPに掲載している(http://www.nichigan.or.jp/news/068.pdf)。結膜は白目の表面からまぶたの裏側までを覆っている粘膜。ついかゆみを感じて目をこすることがあるが、手にウイルスが付いている可能性があるため、手洗いやアルコールでの消毒の大切さを強調している。コンタクトレンズの着脱時は目に触れざるを得ないため、前後に十分に手を洗い、心配なら当分の間、眼鏡にすることをアドバイスしている。

日本感染症学会や日本環境感染学会は、中国・武漢市で感染が広がり始めた2月初めから積極的にメディアや一般市民向けに情報提供をしてきた。国内外に感染拡大が広がっている事態を受けて、HPでの情報発信を拡充している。日本感染症学会が提供している情報(http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=31)は主に医療従事者向けと一般市民向けに分けられる。

この中で医療従事者を対象に多くの症例を詳しく紹介している。同学会が実際に患者を診察した医師に症例報告を募集し、学会が査読した上で詳しい症例を多数掲載している。症例の中には新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の投与例や、症状が出てからもPCR検査をなかなか受けられなかった症例も見られる。医学用語が多いが一般にも参考になる情報が含まれている。

このほか、日本産科婦人科学会は「妊婦中の皆さまへ」と題して妊婦の不安解消のためのメッセージを発信。日本内科学会や日本呼吸器学会、日本救急医学会などもさまざまな情報を発信している。

都市部を中心に感染患者増に医療機関の態勢が対応できない「医療崩壊」や「院内感染」の危機が指摘されている。こうした状況の中で新型コロナウイルス感染症以外の病気の患者に戸惑いも多い。

こうした事態を受け、政府も新型コロナウイルス感染症以外の外来診療や入院に対応できる全国の医療機関を示すマップを作成、専用HP(https://cio.go.jp/hosp_monitoring_c19)で公開している。20床以上の病床がある医療機関が対象で、各医療機関が外来診療のほか、入院、救急診療などを通常通り行っているか、院内感染防止のために外来診療や入院を制限しているかが分かるようになっている。

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