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野口宇宙飛行士、米民間船の運用初号機に搭乗へ

掲載日:2020年4月9日

宇宙飛行士の野口聡一さんが、米スペースX社が開発中の宇宙船「クルードラゴン」の運用初号機で国際宇宙ステーション(ISS)に向かうことが決まった。ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)から同社のロケット「ファルコン9」で打ち上げられるが、時期は未定。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。

クルードラゴンはスペースXの現役の物資補給機「ドラゴン」をベースに生命維持装置などを追加し、有人仕様にするもの。2011年に退役したスペースシャトルに代わる米国独自の有人宇宙船として、ボーイング社の「スターライナー」と並行して開発中。定員は7人だが、4人以下での飛行を予定している。

シャトル退役後、米国は日本人などを含む有人飛行をロシアの宇宙船「ソユーズ」に依存しているが、費用が高騰。独自の有人船を復活させ、ISS経費の7割を占めるとされる輸送コストを圧縮するため、米航空宇宙局(NASA)は宇宙船開発を2社に委ねている。

ロシアは近年、物資補給機の打ち上げ失敗が散発しているほか、18年10月にはソユーズの打ち上げにも失敗。搭乗した米露の飛行士は無事だったが、技術力の低下をにじませた。米国の宇宙船開発の重要性を高める事態となっている。

当初は15年にも新型船の有人試験飛行を行う計画だったが、開発には時間がかかっている。クルードラゴンは昨年3月、無人でのISSとの往復に成功したが、同4月に緊急脱出用エンジンの試験作業で爆発事故が発生。スターライナーも12月の無人試験飛行で機能確認や地上への帰還に成功したものの、エンジン噴射のタイミングがずれ、ISSへのドッキングを断念している。

NASAによると、クルードラゴンは来月にも有人試験飛行を実施する。野口さんはこれに続く本格運用の初号機に、米国人と乗り込む予定だ。決定後、野口さんはツイッターに「日米ともにコロナウイルス対策で厳しい局面ですが、こういう時だからこそ国際的な協力の灯を絶やさないように気を付けたいものです」などと投稿した。

野口さんは1965年、横浜市生まれ。東京大学大学院修士課程修了後、石川島播磨重工業(現IHI)を経て96年に宇宙飛行士候補者に選定された。これまでに2回の飛行を経験しており、2005年にはスペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故後のシャトル初飛行に搭乗し、船外活動などに従事。09~10年には日本人では初めて「ソユーズ」でISSと地上の間を往復している。

訓練を行う野口聡一宇宙飛行士=日本時間2月20日、NASAジョンソン宇宙センター(NASA、JAXA提供)
訓練を行う野口聡一宇宙飛行士=日本時間2月20日、NASAジョンソン宇宙センター(NASA、JAXA提供)
クルードラゴンの想像図(NASA提供)
クルードラゴンの想像図(NASA提供)
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