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科学技術に対する国民の期待が「医療」「社会安全」などでしぼんだ

2019.02.04

 科学技術の発展に対する国民の期待が、社会の安全や医療などの分野で大きくしぼんでいることが、文部科学省科学技術・学術政策研究所が2018年10月に実施した調査で明らかになった。

 この調査は、2018年10月下旬にインターネットで実施し、3000人から得た約100項目に対する質問の結果を、過去の分析と比較した。

 「科学技術の発展に対する期待」についての回答を、2年前にあたる2016年10月に実施した前回調査の結果と比べると、「犯罪などの社会の安全安心」分野で期待している男性は37%から19%に、女性は42%から24%に減った。同様に、「資源エネルギーの開発や貯蔵」分野では男性が54%から36%に、女性が51%から30%に、「医療」分野では男性が59%から45%に、女性が61%から51%に、「製造技術などの産業基盤」分野では男性が29%から19%に、女性が24%から11%に減少していた。他の「未知の現象の解明」「宇宙海洋の開拓」分野などには男女それぞれ変化はみられず、前回の調査に比べて期待が高まった分野はなかった。

 今回の調査では、自然災害に関する意識の変化を探るため、同じ質問をした2016年5月の調査との比較も行った。ゲリラ豪雨などの気象災害について政府が講ずべき施策として挙げた回答が男女とも増えたのは、「一般の人へのわかりやすい情報提供」「法的規制制度を守るよう指導監督の徹底」の項目で、「研究開発の推進」「研究開発施設などの設置」といった科学技術への投資については前回から変化がなかった。地震や火山の自然災害についても、研究の推進より情報提供や法的規制を望む同様の傾向がみられた。

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