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土星の輪ができたのは太陽系の歴史では「ごく最近」だったようだ

掲載日:2019年1月24日

土星の輪ができたのは土星本体が誕生したとされる約46億年前ではなく、1億年前から数千万年前、もしかたしたら1千万年前という太陽系の長い歴史の中では「ごく最近」だった可能性があると、米航空宇宙局(NASA)などの研究チームがこのほど、米科学誌サイエンス電子版に発表した。米国の土星探査機カッシーニの観測データを分析した興味深い研究成果だ。

NASAやサイエンスに掲載された論文によると、研究チームは、カッシーニが土星の本体と輪の間を通り抜けた時のデータをさまざまな計算モデルを用いて分析した。その結果、輪の部分は本体と比べて著しく軽いことが判明。その上、輪はできた後に徐々に量が減少したと考えられるという。そして現在の輪の推定重量なども考慮すると、輪ができたのは「107~108年前」、つまり1億年前から数千万年前、最直近の数字としては1千万年前という結果が出たという。

土星ができたのは太陽系惑星の中でも地球より早く約46億年前とされる。土星の輪は長い間、本体とほぼ同じ時期にできたと考えられていた。しかし1980年に米探査機ボイジャー1号が土星に近づいて輪を観測した結果などから、輪は本体よりかなり後でできた可能性があると指摘されてきたものの、輪の具体的な誕生時期に迫る研究はなかった。

今回の研究成果は重力データを用いた分析の推定値で、研究チームも「どのように輪ができたかは明らかにしていない」としている。今後、輪の誕生時期について新たな知見が出る可能性もあるが、いずれにせよ輪は本体よりずっと後にできたことは間違いなさそうだ。

カッシーニは高さ約7メートル、幅約4メートル、重さ約6トンの大型の探査機。1997年10月に米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。機体には世界約80カ国の一般市民約61万人が土星への夢を託して寄せた署名も積まれた。金星や地球、木星上空でスイングバイを繰り返して2004年6月に土星上空に到達。17年9月までの長い間観測を続けた。この間、数十万点の鮮明画像を撮影、土星最大の衛星タイタンに海や川があることを明らかにするなど、数多くの素晴らしい観測成果を残して最後に機体は土星の大気圏に突入して消えた。

土星探査機カッシーニが土星の本体と輪の間を通り抜けた時の想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)
土星探査機カッシーニが土星の本体と輪の間を通り抜けた時の想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)
土星の輪の内側に向かう土星探査機カッシーニの想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)
土星の輪の内側に向かう土星探査機カッシーニの想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)
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