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AIがNASAのデータを分析し新たな太陽系外惑星を発見

2017.12.28

 米IT大手企業グーグル社が開発した人工知能(AI)に観測データを分析させて新たに2つの太陽系外惑星を発見した、と米航空宇宙局(NASA)がこのほど発表した。NASAの研究チームによると、AIを活用して新惑星を見つけたのは初めてという。

 太陽系外惑星も太陽系惑星と同様に自らは光を出さないため、恒星の手前を横切る時に生じるわずかな影を手掛かりに見つけなければならない。その際には観測でキャッチした影が惑星のものなのか他の原因によるものかを見極める必要があり、これまではさまざまなデータを分析する作業がたいへんだった。

 NASAの研究チームは、グーグル社のAIに「惑星がつくる影」現象に関係するデータを学習させてケプラー宇宙望遠鏡による観測データを分析させた。その結果、地球から2545光年離れ、りゅう座の方向にある恒星「ケプラー90」と、1100光年離れ、はくちょう座の方向にある恒星「ケプラー80」の周りに、これまで見つかっていなかった惑星を1つずつ見つけた。研究チームが、AIが新惑星の可能性が高いと判断した2つの影をあらためて詳細に分析し、最終的に新惑星と判断した。

 AIを活用した今回の観測により、ケプラー90は8個の惑星を持つことになった。太陽系も惑星数は冥王星が「準惑星」になったために8つで、ケプラー90は太陽と同数の惑星を持つことも明らかになった。ケプラー90の新たな惑星は内側から3番目に位置し、恒星との距離は、地球と太陽との距離とほぼ同じ。しかし大きさは地球より30%大きく、推定表面温度は430度近い。恒星の周りを14.4日かけて回っているという。

画像 恒星「ケプラー90」(左端)と8つの惑星のイメージ画像。今回見つかった惑星は内側から3番目に位置する(Credits: NASA/Wendy Stenzel)
画像 恒星「ケプラー90」(左端)と8つの惑星のイメージ画像。今回見つかった惑星は内側から3番目に位置する(Credits: NASA/Wendy Stenzel)

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