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化学賞は分子機械の欧米3氏に

2016.10.05

 スウェーデンの王立科学アカデミーは5日、2016年のノーベル化学賞を機械のような動きをする分子の設計と合成に成功した米国、フランス、オランダ3国の3人の研究者に授与すると発表した。3日に医学生理学賞受賞が決まった東京工業大学の大隅良典(おおすみ よしのり)栄誉教授に続く日本人ダブル受賞はならなかった。

 授賞理由は「分子機械の設計と合成による世界最小の機械開発」。受賞したのはフランス・ストラスブール大学のジャン・ピエール・ソバージュ名誉教授、米ノースウエスタン大学のジェームス・フレーザー・ストッダート教授、オランダ・フローニンゲン大学のバーナード・フェリンガ教授の3氏。

 3氏は特殊な形の分子を合成し、この分子に外から刺激を与えるとスイッチのように働く機能を持たせることにより分子機械と呼ばれる技術を確立。さまざまな応用が可能な分子レベルの機械システムの開発にこぎつけた。分子コンピューターにつながると期待される。

 分子機械の研究分野では、新海征治(しんかい せいじ)九州大学名誉教授が、ナノ単位の機械製造で研究成果を挙げている。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万クローナ(約9,500万円)が3氏に贈られる。

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