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オゾン層の回復を初めて確認 米MITが発表

掲載日:2016年7月4日

太陽からの有害な紫外線を吸収するオゾン層が2000年以降回復しつつあることを初めて確認したと、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが1日付の米科学誌サイエンスに発表した。研究グループは、オゾン層を破壊するフロンを規制した国際条約「モントリオール議定書」の効果が出たとみている。

MITの研究グループは、例年南極のオゾンホールが大きくなるとされる9月の人工衛星や気球、地上施設の観測データを長期間分分析した。その結果、オゾン層が薄くなって穴が開いたような状態になる「オゾンホール」は2000年以降縮小する傾向になり、15年までに約400万平方キロメートルも縮小していたことが判明した。この縮小面積はインドの国土(約329万平方キロメートル)を大きく上回る。

オゾンホールは15年10月には一時的に拡大したが、研究グループは、南米チリのカルブコ山の火山噴火が原因でオゾン層を破壊したとして「オゾン層は回復に向かっている」と結論付けた。NASAの継続的な観測でも15年10月のような規模のオゾンホールはみられない。

オゾン層は上空10~50キロの成層圏にあり、3個の酸素原子からなるオゾン分子が多く存在する。人類など地上の生物に有害な紫外線を吸収する重要な役割をしている。1980年代に入り南極上空でオゾンホールがはっきりと観測され始めたことをきっかけに1987年にモントリオール議定書が採択され89年に発効した。

議定書の規制対象は、成層圏で連鎖反応を起こしてオゾン層を破壊する塩素や臭素を放出するフロンやハロン。オゾン層が破壊されると白内障や皮膚がんが増え、生物種が減少すると世界的に指摘され、議定書に批准した200近くの国・地域で冷蔵庫の冷媒を代替フロンに切り替えるなどの対策が進んだ。


画像1 米航空宇宙局(NASA)が公開している2016年6月28日のオゾン層の状態。はっきりりとしたオゾンホールはみられない(NASA提供)
画像2 NASAが公開した2015年10月2日のオゾン層。南極を中心にオゾン層が薄くなる「オゾンホール」がみられる(NASA提供)
画像2 NASAが公開した2015年10月2日のオゾン層。南極を中心にオゾン層が薄くなるオゾンホールがみられる。原因は火山噴火とみられている(NASA提供)
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