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「青いトマト」の毒の合成遺伝子を発見 ジャガイモ毒抑制にも応用

掲載日:2016年4月27日

成熟前の青いトマトに含まれる毒の合成をコントロールする遺伝子を見つけた、と奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)の庄司翼(しょうじ つばさ)准教授らの共同研究グループが26日発表した。同グループによると、ジャガイモにも同じ遺伝子があるためこの遺伝子を使ってジャガイモの芽に含まれる毒を減らすことに応用できる、という。

トマトやジャガイモは同じナス科の植物。「青いトマトやジャガイモの芽は食べていけない」ことはよく知られているが、青いトマトには「トマチン」、ジャガイモの芽には「ソラニン」と呼ばれる毒性成分があるためだ。毒性成分はトマトやジャガイモが昆虫や動物を寄せ付けないためだが、人間が多く食べると食中毒の原因にもなる。

庄司准教授らは、青いトマトにトマチンの合成に関与する数十種類の遺伝子の働きを統括する「マスター遺伝子」と呼ばれる遺伝子があることを突き止めた。さらに、遺伝子の組み換え実験でこのマスター遺伝子の働きを活発にするとトマチン量は2倍になり、マスター遺伝子の働きを抑えるとトマチン量は半分になった、という。

ジャガイモにもマスター遺伝子があり、食中毒などの原因となるソラニンの合成を統括しているという。研究グループは、マスター遺伝子が作用しない変異種を作ることで毒を抑えたジャガイモや早熟トマトも可能になる、としている。

この研究には奈良先端科学技術大学院大学のほか農業・食品産業技術総合研究機構、明治大学、理化学研究所、東京工業大学、筑波大学も参加した。

写真 マスター遺伝子の働きを活発にした実験用トマト(奈良先端科学技術大学院大学などによる研究グループ提供)
写真 マスター遺伝子の働きを活発にした実験用トマト。トマチン量が増えている。(奈良先端科学技術大学院大学などによる研究グループ提供)
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