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アトピー性皮膚炎の原因は黄色ブドウ球菌

掲載日:2015年4月23日

 多種多様な細菌が存在する皮膚表面のバランスが崩れ、黄色ブドウ球菌が異常に増えるとアトピー性皮膚炎が発症することを、慶應義塾大学医学部の研究チームがマウスを使った研究で突き止めた。

 研究に使われたのは、ある酵素を皮膚から欠損させることでアトピー性皮膚炎を起こさせたマウス。多種多様な細菌から成る皮膚細菌巣をこのマウスに培養すると、生後4週目に黄色ブドウ球菌が大量に検出され、最終的に皮膚表面は、他の細菌類が姿を消し黄色ブドウ球菌が支配する状態となることが観察された。

 一方、離乳直後から異常細菌巣に効く抗生物質2種類で抗菌治療を行ったマウスは、正常な皮膚細菌巣を保ち、皮膚炎を発症しないことも確かめられた。

 アトピー性皮膚炎に対しては、多くの患者がステロイド剤の炎症抑制効果に頼っているのが現状。研究チームは「異常細菌巣を正常化させ、皮膚の炎症を沈静化させる新しい治療法開発を促す成果だ」と言っている。ただし、研究に使われた抗生物質で異常細菌巣を除去する方法は、抗生物質が腸内細菌への悪影響もあるため治療法としては推奨できない、としている。

 アトピー性皮膚炎がひどい皮膚表面に黄色ブドウ球菌が多いことは、これまでにも知られていた。しかし、よい動物モデルがなかったことなどから、黄色ブドウ球菌とアトピー性皮膚炎の関係は解明されていなかった。

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