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「日本野鳥の会」が放射性物質のツバメへの影響を調査

2012.05.10

 福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質のツバメへの影響を調べるために、公益財団法人「日本野鳥の会」(柳生博会長、東京都品川区西五反田)が乗り出した。バードウイーク(5月10-16日)初日の10日、全国からの情報を集める「ツバメ特設サイト」をホームページに設け、参加協力を呼びかけている。

 同会によると、1986年のチェルノブイリ原発事故では、放射性物質の影響でツバメの羽毛の一部が白く変色した「部分白化」や、2本ある尾羽の長さが不ぞろいな個体が見つかったほか、巣の中のヒナ数が少ないなどの現象も見られたという。

 福島第一原発事故では、環境省の調査で、約3キロメートル離れた福島県大熊町にある建物壁のツバメの巣から1キログラム当たり約140万ベクレルの放射性セシウムが計測された。このため、日本でも同様なツバメの異常が生じる可能性があり、全国規模で状況を把握する必要があるとして、一般的なツバメの目撃調査「わたしの町のツバメ情報」とともに、放射性物質の影響を調べる「ツバメの営巣環境調査」を行うことにした。

 「ツバメの営巣環境調査」では、巣のある場所の住所や状況、確認したヒナの数、親鳥の「部分白化」などの色彩異常、尾羽の異常などについて、写真もあれば一緒に報告してもらう。参加方法は、「ツバメ特設サイト」から情報を入力するか、調査用紙PDFファイルをダウンロードして、ファクスか郵送で送付する。

 また同会では、ツバメについて多くの人に知ってもらうため、ツバメの生活史を紹介する小冊子『消えゆくツバメ』を1万部、希望者に無償配布している。

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